【東京】岩屋毅防衛相は9日の記者会見で、民間地で発生した米軍機事故の初動対応に関する日米の「軍用航空機事故に関するガイドライン」について、日本側の立ち入りが早期に可能となるよう米側と協議していると明らかにした。「遠からず合意できると期待している」と述べた。岩屋氏はガイドラインについて「規制線の中における日本当局による適切な対応について議論を行っている。改善が図られるものと期待している」と説明した。
ガイドラインは沖縄国際大での2004年の米軍CH53ヘリコプター墜落事故を踏まえ、日米両政府間で取り交わされた。事故現場に設けた内周規制線を日米共同で、その外側の外周規制線を日本側が管理すると決めた。内周規制線への立ち入りは日米双方の同意を必要とするが、米軍が全面的に管理している実態があり、日本側の早期立ち入りが認められないケースが相次いでいる。
17年10月に東村で発生したCH53ヘリ不時着炎上事故でも、日本側が現場に立ち入れたのは発生から6日後だった。今回の見直しで米側に大きく与えられた裁量に切り込めるかは不透明だ。岩屋氏は「米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の理解が重要だ。事故が発生した場合に日米間で適切な対応が取れるように協議を続けたい」と述べた。