県内の米軍関係者が自家用の「Yナンバー」車を使用して有償で客を送迎する違法な「白タク」行為をしていることが11日、分かった。在沖米海兵隊は、事実を把握しているかとの本紙の取材に「ソーシャルメディア上のグループが自動車の相乗りサービスを促進していることは把握している」と説明した。米軍基地内での営業許可を持つ「ベースタクシー」を運行する県内のタクシー会社は「白タクの影響で売り上げは落ちている」と訴えている。
関係者によると、主に週末に基地内から繁華街への移動に使われている。沖縄市胡屋や北谷町美浜などでYナンバーの白タクが目立つという。沖縄署は「実態把握に努めている」としている。
米国内は自家用車で客を有償輸送する「ウーバー」などの配車事業が浸透している。海兵隊はこれらのサービスを引き合いに「似たような相乗りサービスが日本では違法だということも知っている」とした。その上で「全ての海兵隊員に『ここでは運賃を取って相乗りサービスを使ったり参加したりすることは違法だ』と周知している」とコメントした。
一方、ベースタクシーの会社の担当者は「基地内のタクシー乗り場で客待ちをしていると、Yナンバーの白タクが割り込んでくる。正規の8割くらいの値段で乗せているようだ。夜の長距離客を取られてダメージは大きい」と話した。ベースタクシーは1台につき月数万円の「入域料」を軍側に払い、基地内で営業できる。入域料は軍の福利厚生費などに使われている。基地内の福利厚生を担うAAFES(エーフェス)に対し、同社は白タクをやめさせるよう要請している。