亡き父思い 目指す甲子園 初4強の西原 與座崚太選手


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西原-宮古 バントの構えで相手をゆさぶる西原の與座崚太選手=15日、沖縄市のコザしんきんスタジアム

 甲子園出場を懸けたて争われている全国高校野球選手権沖縄大会。初めての4強入りを決めた西原には、格別の思いを持ってプレーする選手がいる。3年の與座崚太内野手は春季大会中に父の貞二さんを亡くした。最後の夏に、学校の歴史に残る4強入りを果たし「やったよと伝えたい。天国から見てくれてたかな」と感慨深げだった。

 小学3年生の時に、野球好きの貞二さんに勧められてボールに触り始め、一緒にキャッチボールをした思い出が残っている。試合には欠かさず足を運んでくれる父は、野球をメインに学校生活を送ってきた與座選手にとって心強い存在だった。
 貞二さんががんと診断されたのは突然だった。それでも高校の公式戦にも駆けつけてくれたが、病を押しての声援も3月の春季大会2回戦が最後となった。「余命も聞いていたので、最後かなと思っていた」。3回戦の前日に貞二さんは息を引き取った。
 4強入りを決めた準々決勝の宮古戦では1安打。「もっと打ちたかったですね」と苦笑する與座選手。最後の大会に貞二さんの姿はない。それでも必ず見守ってくれていると信じている。「父さんに甲子園出場したよと伝えたい」と吉報を約束する。
(屋嘉部長将)