学生の不在投票、だめ? 自治体で判断に違い 県内7市「不可」、落胆の声も


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 今回の参院選でも実家に住民票を残し、親元を離れて大学などに通う学生などが不在者投票できるかは、各自治体によって判断が割れている。琉球新報が県内11市に取材したところ、そのような学生が投票できないのは7市に上り、投票できるのは4市にとどまった。県外の学生からは「地元の将来を考えたいと住民票を残している人にとって投票できないのはとても残念だ」など、今の時代に合う制度改革が必要だという声が上がっている。

 各市町村の選挙管理委員会が投票を認めない根拠とするのが1954年の最高裁判決で、大学進学のため郷里を離れて学生寮に入寮した学生の地元自治体での選挙権を求める訴えを退けた判例だ。県選管はこの判例に沿った対応を各選管に求めている。

 宜野湾市に住民票を残し、県外の大学に通う21歳の女子大学生は同市選管に不在者投票を断られたという。「大学4年間は一時的に離れているだけで、地元の将来を考えたいと住民票を残していた。権利を剝奪されたようでとてもショックだ」と話す。「若者の投票率向上が重要だといわれるのに、判例は今の時代に合わないのでは」と疑問も口にした。

 宜野湾市は不在者投票に「学業」とある場合、個別に本人に確認し、長期に渡る進学の場合は不在者投票を認めていない。担当者は「地元に住民票を残したいという思いは分かるが、不在者投票制度には該当しない」と話す。浦添市や沖縄市など、他の市も居住実態のない学生の不在者投票を認めない根拠に最高裁判例を挙げる。ただ、一方で担当者らは「大切な一票であるのは確か。法的に救える手だてがあればいいと思う」とも話す。

 公職選挙法では居住実態のない住民は投票できないと定め、市町村選管は調査した上で選挙人名簿の登録を抹消できる。ただ実際に各選管は人員に限界があり、実態調査できないのが実情だ。南城市や宮古島市選管は「公平に調査できる状況にない」などの理由で投票を認めている。国政選挙にもかかわらず自治体によって対応に差があるという状況が、解消されることなく続いている。
 (中村万里子)