興南エースの宮城大弥 最後の夏の229球 甲子園「初めて遠いなと」


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沖縄尚学―興南 最後まで粘り強く229球を投げた興南の宮城大弥(又吉康秀撮影)

 高校野球の第101階全国選手権沖縄大会最終日は21日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で決勝を行い、延長十三回に及ぶ大激戦の末、3連覇を狙う興南は7―8で沖尚に競り負けた。

 228球目だった。延長十三回、満塁フルカウントで興南の宮城大弥が残る力を振り絞った直球はわずかに外角に外れた。決勝点となる押し出し四球を与え、沖尚の決定機を何度も力でねじ伏せてきたエースの足元がふらついた。

 去年まで2年連続の優勝投手はつぶやいた。「最後に壁を越えられなくて悔しい。初めて(甲子園が)遠いなと感じた」。最後の夏、この世代を代表する本格左腕が県大会決勝で姿を消した。

 生命線である絶妙にコントロールしたインコースを狙い打たれ、初回にいきなり4失点。そこから外主体に切り替え、調子を取り戻す。この日の最速は147キロだ。

 「点を取られても味方が取り返してくれた」と心強い仲間に支えられ、4失点後は十一回までわずか3安打、1失点に抑えた。

 「疲れは感じないで投げていた」と言うが、十二回から足元がおぼつかなくなる。それでも、我喜屋優監督からベンチで続投の意向を聞かれると「最後までいきます」と即答した。帽子のつばに太いペンで大きく書いた「強気」の文字を何度も触り、最後まで140キロ超の真っすぐを投げ続けた。

 58打者との勝負で229球を投じ、15奪三振。鬼気迫る力投にも「普段の練習が足りないと感じた。修正しないと次のステップでは通用しない」。目標はプロ。尽きない向上心を胸に、歩みを続ける。
 (長嶺真輝)