「生きるって楽しい。こんなに幸せなことはない」 80代の女性2人が笑顔の理由


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毎日のように食事を共にして友情を深めている宮里容子さん(左)と平良政子さん=那覇市仲井真の仲井真自治会館

 80歳を超えて出会い、一緒に食事をしながら人生を楽しんでいる女性たちがいる。那覇市在住の宮里容子さん(87)と平良政子さん(83)だ。どちらも1人暮らしで、宮里さんが平良さんに毎日のように手料理を振る舞い、友情を深めている。宮里さんは平良さんを「私の夫」と語り、夫婦のように支え合っている。

 2人は那覇市の仲井真自治会館で開かれている那覇市地域ふれあいデイサービス「仲井真ゆいの会」で出会った。料理が大好きな宮里さんは約52年間ボリビアで暮らし、食堂を経営していた。ボリビアで夫を早くに亡くし、約5年前から1人で暮らしている。平良さんも約1年前に夫を亡くした。生前は共働きで夫が炊事を担っていた。

 ある日、宮里さんが自宅に平良さんを招き、手料理を振る舞った。2人は「お互いに夫を亡くした寂しさが分かる」と意気投合した。以来、ほぼ毎日、宮里さん宅で昼食を共にしている。夕食まで一緒にすることもあるほど仲がいい。週に数回は近所の老人ホームを慰問し、ハーモニカ演奏や踊りも披露している。

 朝起きた時から何を作ろうかと考えているという宮里さん。「食べてくれる平良さんの喜ぶ顔を見ることが楽しい。幸せよ」と笑顔で話す。

 平良さんは「食べさせてもらって感謝しかない。できることを、できる時に、できる方法ですることが共通の生き方だ。生きるって楽しい。こんなに幸せなことはない」と語った。
 (中川廣江通信員)