地位協定改定へ連携再確認 全国知事会 問題共有意見相次ぐ


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玉城デニー沖縄県知事(資料写真、記事と写真は直接の関係はありません)

 昨年、日米地位協定の抜本的な見直しなどを求める国への提言を採択した全国知事会(会長・上田清司埼玉県知事)の本年度の会議が富山県富山市で開かれ、最終日の24日、玉城デニー知事は同提言の実現に向けて「全国の知事の皆さまと連携して取り組んでいきたい」と呼び掛けた。他の知事からも、住民の安全や地方自治を守る観点から必要な取り組みだといった意見が出され、全国の問題として引き続き対応していくことを改めて確認した。

 玉城知事は、県が実施したドイツやイタリアなどが米国と結ぶ地位協定調査の報告書を配り説明した。ヨーロッパの国々は自国の法令を米軍にも適用させ、米軍の活動をコントロールしており、基地内立ち入り権も確保されていることを報告。国内法の適用や立ち入り権が確保されていない日本と大きな違いがあるとした。

 これを受け全国の知事から問題意識を共有する意見が相次いだ。岩手県の達増拓也知事は「米軍に日本国民による民主的統制が及ばないことは、地方自治の観点、住民の安全、福祉の増進の観点からも非常に問題がある」と述べた。滋賀県の三日月大造知事も「地方自治、民主主義の観点からさらに調査を進め、連帯して取り組んでいく必要がある」と賛同した。

 高知県の尾﨑正直知事は米軍機の低空飛行訓練で幼稚園児が泣き叫ぶことがあったとして事前の情報提供の必要性を強調した。兵庫県の井戸敏三知事は米軍機が同県上空を通過する可能性がある場合にインターネットでの公表を5月から始めたといい、「米軍に関する情報を公開していく基本姿勢を持つことも重要だ」と述べた。