沖縄県は29日の庁議で、2020年度内閣府沖縄関係予算について総額3600億円規模を確保するよう政府に要請することを決めた。沖縄振興一括交付金など「地方向け補助金」の所要額を確保するよう求める内容となっている。県は記者への説明会で「(実際の予算)総額が徐々に減っている中、国直轄分が優先的に確保されている形に見える。地方向けもしっかり確保していただきたいということを明確にした」と説明した。玉城デニー知事は来月5、6日に上京し、内閣府をはじめ関係各所に要請する。
沖縄振興一括交付金は3年連続で大幅に減額されてきた。県は「市町村からは、あらゆる分野で計画的な事業展開に影響が出ているとの声が寄せられている」とし「一括交付金の増額は県と市町村の切実な要望だ」と強調した。
一括交付金のうち市町村から要望の強かった社会資本整備や水道施設整備などに使う、いわゆる「ハード交付金」は19年度比約2倍の1013億円を要望する。19年度のハード交付金は要望額が900億円台で実際の予算は532億円。
一括交付金のうち離島振興や産業振興に使う「ソフト交付金」は19年度比で約1・4倍増の797億円の確保を求める。19年度のソフト交付金は要望額が800億円台で実際の予算は561億円だった。20年度に計画するソフト交付金の主な県事業は、離島航路運航安定化支援事業(拡充)や外国人の相談窓口のBe.Okinawa多言語コンタクトセンター運営事業(新規)など。
「地方向け補助金」のハード交付金を除く投資補助金については、公立学校耐震化、クルーズ拠点整備、農業生産基盤整備などのための所要額を確保するよう求める。一方、子どもの貧困対策、離島活性化、人材育成、酒類製造業支援、沖縄科学技術大学院大学などの予算も併せて確保を求める。