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戦後沖縄の苦悩をミュージカルにのせて イッツフォーリーズ公演「てだのふあ」

沖縄戦の傷跡や現在も続く痛みを表現した公演「てだのふあ」=10日、東京都の紀伊國屋サザンシアター東京都の紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

 【東京】沖縄戦の傷跡や現在も沖縄が抱える問題を描く、ミュージカル劇団イッツフォーリーズの公演「てだのふあ」(原作=灰谷健次郎「太陽の子」、脚本・作詞=ラサール石井、演出=鵜山仁)が10~15日、東京都の紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで上演された。沖縄戦が終わっても基地があり続ける沖縄の歴史や現状も随所に盛り込みつつ、「日本」の在り方を逆照射している。

 神戸生まれで明るくひたむきに生き、「沖縄」を学んでいく「ふうちゃん」(大人役=あめくみちこ、子役=平垣心優、星茜音)を軸に、ふうちゃんの父やウチナーンチュのキヨシ(佐伯亮)ら市井の人々が抱える苦しみや悲しみを描く中で、戦後の沖縄が強いられ続けている歴史も表現した。冒頭と終幕では名護市辺野古で新基地建設に反対する人々の思いに触れる場面も描かれた。

 挿入歌には、劇団創設者のいずみたく作曲、永六輔作詞の「ここはどこだ」を使用。2人が全国の都道府県をテーマにつくった「にほんのうた」の沖縄県の歌で、歌詞の「ここはどこだ。きみはだれだ。にほんはどこへいった」のメッセージが何度も観客に響いた。

 東京ヴォードヴィルショーとの共同制作。上演直後から沖縄での公演を望む声も出ている。


(2019年7月30日付 琉球新報/朝刊/11頁/芸能 掲載)