高校ライフル全国Vの興南女子 重圧をどうはねのけた?


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 ライフル射撃の第57回全国高校選手権大会は30日、広島県のつつがライフル射撃場で行った。学校対抗戦エアライフル女子で興南(根間璃美花、宇久田ノエル、宮城汐李)が1209.3点で初優勝した。同男子で興南(内原隆之介、滿名音哉、前泊佳吾)は1204.5点で2位だった。個人戦は男子のエアライフル立射60発で前泊が239.1点で2位、滿名が218.5点で3位だった。

学校対抗戦エアライフル女子で初優勝した興南の根間璃美花=30日、広島県のつつがライフル射撃場(提供)
学校対抗戦エアライフル女子で初優勝した興南の宇久田ノエル=30日、広島県のつつがライフル射撃場(提供)
学校対抗戦エアライフル女子で初優勝した興南の宮城汐李=30日、広島県のつつがライフル射撃場(提供)

◆興南女子/根間、宇久田、宮城 全員400点超え

 学校対抗戦で興南女子(根間璃美花、宇久田ノエル、宮城汐李)が創部8年で初の全国団体優勝をつかんだ。1人が40発を打ち、3人の合計点を競う。ボードに張り出された点数を確認して「あ、優勝したんだ」(根間)と声が出たという。実感がなかった3人は仲本正樹監督と何度も握手をして勝利を確かめた。感情が動かなかったのは疲れ切っていたこともある。それぞれが張り詰めた緊張感の中、高いパフォーマンスを発揮した結果だった。

 1人目は2年生の根間。後続の3年生の大舞台を飾るべく、重圧に吐き気をこらえながら戦った。先輩が控えることを心の支えに402・4点の好成績をマークした。

 2人目の宇久田は、得点を意識せず、冷静を保つよう努めたが、3年最後の大会でもあり、力が入った。しかし3年間で練習中の気づきを書きためた10冊以上にもなる日誌の記述を思い返し、セルフトークで雑念をふりほどいた。「自分に勝てたと胸を張って言える」。3人で最も高い403・5点を記録した。

 2人から好成績でつながれた宮城。呼吸を意識して「同じ構え、同じ狙い、同じ引き」で打った。しかし31発目から得点が伸びない。「力を抜きすぎてフォームが変わっていた」。落ち着いて修正すると、38発目以降は10点以上で403・4点。そろって400点越えで全国の頂に立った。


 【男子】
 ▽学校対抗戦エアライフル (2)興南(内原隆之介、滿名音哉、前泊佳吾)1204・5
 ▽エアライフル立射少年60発 (2)前泊佳吾(興南)239・1(予選610・1、3位で決勝進出)(3)滿名音哉(同)218・5(予選607・9、6位で決勝進出)(7)内原隆之介(同)136(予選607・7、7位で決勝進出)

 【女子】
 ▽学校対抗戦エアライフル (1)興南(根間璃美花、宇久田ノエル、宮城汐李)1209・3
 ▽同ビームライフル女子 (6)興南(屋宜さくら、伊波小凛、山田百恵)1232・4
 ▽ビームライフル立射少年60発 (21)山田百恵(興南)620・8(35)屋宜さくら(同)617・3(95)伊波小凛(同)604・3