実力校破り8強を決めた西原の勝敗の分け目は 南部九州総体女子バスケット


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 【南部九州総体取材班】全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」は30日、各地で競技を行った。バスケットボール女子の西原は3回戦で四日市商(三重)に90―85で勝利し、初の8強入りを決めた。県勢女子の8強入りは1996年の北中城以来、23年ぶり。西原は県勢初の4強入りを懸けて31日の準々決勝で桜花学園(愛知)と対戦する。

西原―四日市商 必死のマークで相手を簡単に攻め込ませない西原の宮里野乃子=30日、鹿児島県いちき串木野市総合体育館(屋嘉部長将撮影)

 西原は守備からチャンスをものにする戦いぶりで、開始直後に3―2と逆転して以降は一度もリードを許さなかった。昨年3位の実力校を破り、8強の峰に初めて立った。試合後は大喜びができないほど疲労した様子がすさまじい激戦を表していた。主将の宮里野乃子は「チームの目標を達成できたのが一番。だけどまだ実感が沸かない」と声を弾ませた。

 互いの持ち味である足を使った速い展開にめまぐるしく得点が往来する「我慢比べ」(崎浜秀勝監督)の中でも、選手たちは冷静だった。オールコートのマンツーマンから重圧をかけながら、全員がディフェンスリバウンドを奪いにいき、攻撃の芽を摘んだ。堅守からエース知名祐里を中心に得点を量産し、相手にペースを握らせない。

 しかし、第2Qでオフェンスリバウンドから得点を重ねられ、同点に追いつかれるとすかさずタイムアウト。崎浜監督は「何がなんでも守りからだよ」と叱咤すると、具志堅夏琳の連続得点で息を吹き返し、点差を広げた。

 11点差で始まった4Qだが「勝利を意識してしまった」(知名)とミスが連発し、4点差まで詰められた。その中でも相手の司令塔にマークしていた宮里が「攻撃でも守備でもやられたらやり返す」と次々3点弾を決め、最後は知名の連続得点で逃げ切った。目標の8強入りを決め、笑顔の選手たち。次戦は昨年優勝校の桜花学園(愛知)に挑む。宮里は「高さもスピードもパワーも上だが、しっかりと自分たちのバスケットをやりたい」とジャイアントキリング(大物食い)を狙う。
 (屋嘉部長将)


(薩摩川内市総合体育館ほか)
▽女子3回戦
西原
90―85(19―15,23―17,25―24,23―29)
四日市商(三重)

次も暴れまくる

 崎浜秀勝監督(西原)「速い展開のバスケットをする同士の我慢比べだった。粘り強く守り抜いてから攻撃にいけた。次はとにかく走りまくって、暴れまくって、沖縄でバスケットをしている子どもたちに勇気を与えるような試合をしたい」