「山の方から雨が鉄砲水のように…」 沖縄名護で浸水、冠水 住民、対応に追われる


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大雨で床上浸水した民家=2日午後8時すぎ、名護市汀間

 【名護】2日夕方から夜にかけての大雨で、名護市内で土砂崩れや床上浸水などの被害が出た。嘉陽では国道331号が土砂崩れで全面通行止めとなり、復旧の見通しは立っていない。汀間や安部では住宅の床上浸水や道路の冠水が起き、住民らが夜通しで片付けに追われた。

 嘉陽では、高さ3メートル以上の土砂が国道全面をふさぎ、人の通行もできなくなっている。午後6時すぎ、警察などに発生の通報があった。名護市天仁屋行きの路線バス78番が嘉陽で引き返した。

 汀間区公民館や瀬嵩公民館、市久志支所には冠水の影響で一時、近隣ホテルの宿泊客ら約150人が避難した。汀間の新名善治区長は「宿泊客が避難する事態は初めてだ」と話した。

 汀間の農業、具志堅俊一さん(73)宅では、物置の離れ家が午後8時半ごろ、足のすね辺りまで浸水した。妻のヨシ子さん(67)は「午後7時ごろから雨が強まり、水が母屋の玄関まで迫った。山の方から雨が鉄砲水のように流れてきた」と声を震わせた。自宅は6年ほど前にも床上浸水したという。俊一さんは土砂崩れのため、大宜味村の養鶏場から西海岸に一度抜けて汀間に帰った。「早く復旧してほしい」と疲れを見せた。安部でも住民らが床上浸水の後片付けに追われた。

 東江では住宅街で深さ約20センチ、約3メートル四方の冠水が起きた。