【記者解説】最大引き下げも全国との格差は… 沖縄の最低賃金790円答申


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 沖縄地方最低賃金審議会が沖縄労働局に答申した時給790円は、最低賃金額と引き上げ幅ともに過去最大となった。答申通りに決定した場合4年連続で20円台の引き上げとなるが、中央最低賃金審議会が7月31日に答申した目安は全国平均901円で、県内と全国の差額は依然大きい。

 沖縄審議会が過去最大の引き上げ幅を答申した背景には、中央審議会の小委員会が示した引き上げ幅の目安額26円があった。同委員会は地域の経済情勢などに応じ目安額を、A~Dの4ランクに分類して提示。沖縄の審議会は、東京などAランクの引き上げ幅目安に匹敵する28円の引き上げを決めた。最終的には労働側が主張した引き上げ幅が採用された。県内の経済情勢が好調という認識が審議会の採決に反映された形だ。

 沖縄審議会の宮國英男会長は「全国と沖縄の差は広がってはいないが、縮まってもいない。東京など都市圏が先行しているのが現状」と話した。
 (吉田早希)