【南部九州総体取材班】全国高校総合体育大会「可能性は無限大 南部九州総体2019」は9日、九州各地で行われ、台風の影響により日程が短縮された男子ソフトボールの読谷は準々決勝で日向工(宮崎)を8―1の五回コールドで破り、4校同時優勝で頂点に立った。県勢としては1987年の与勝以来、32年ぶりの栄冠を手にした。
背番号「91」のエース・奥間海人は、調子が上がらない中でも際どくコースを突き、打たせて取る投球で優勝に大きく貢献した。この日2試合で9イニングを投げ、投球数は計116球に達した。しかも被安打は3、7奪三振で1失点のみ。日本代表で投手として活躍した宮平永義監督は「安心して見ていられた。最高のピッチングだった」とうなずいた。
8日の2回戦から「ここまで不調なことはない」と奥間は振り返った。本来は鋭い変化球から三振を取りにいく投手だが、猛暑と疲労から球が走らない。捕手の與儀飛優と「打たれても良い。バックを信用しよう」と試合前に話し合った。球威を抑え、外角の厳しいコースを狙い続けたことが奏功した。
背番号「91」は、バスケットボール選手のデニス・ロッドマンをまねたものだ。チームのために、一つ一つのプレーに全力で打ち込む姿にあこがれた。「手がちぎれても良いから、チームのために投げ切ろうと思った」。最後に投球スタイルを変えてまで、泥くさくチームファーストのエースを貫いた。 (喜屋武研伍)