【南風原】旧暦の6月26日に当たる7月28日、沖縄県南風原町内の各字で五穀豊穣(ごこくほうじょう)や子孫繁栄を願う伝統の綱引きがあった。東西に分かれて繰り広げられる熱戦に参加しようと、多くの町民や観光客が詰め掛けた。
相手のシャツを破るほど激しい戦いが繰り広げられることから「ケンカ綱」とも言われる喜屋武の綱引きは午後11時半ごろから行われ、青年らが激しくぶつかり合いながら勝負に挑み、東に軍配が上がった。
この日は各字の綱引きを巡る町観光協会主催の「綱ひきツアー」もあり、町内外から33人が参加した。今年から初めてツアーのルートに組み込まれた宮城では、旗頭が字を練り歩き、空手の奉納演武を終えた後、東西に分かれた区民らが力いっぱい綱を引いた。宮城の綱引きは2本勝負で、1回目の本勝負で勝敗が決まり、2回目は本勝負で勝った方が負けた方に勝ちを譲る伝統が代々受け継がれている。
町観光協会の金城妙子さんは「今まで字の人しか知らなかった宮城の綱引きの様子を町内外の人に見てもらうことができてよかった」と話した。