戦争の怖さ体感 児童、避難小屋を再現 戦争経験者から戦時下の暮らし学ぶ


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避難小屋を再現した児童と保護者ら=4日午後、名護市役所羽地支所

 【名護】沖縄県名護市青少年育成協議会羽地支部は4日、名護市役所羽地支所で第25回平和学習「みんなで作ろう避難小屋」を開催した。近隣の羽地小や稲田小の児童や保護者が参加した。沖縄戦中、戦火を逃れた住民らが山中に造った小屋を再現した。戦争体験者らが戦時下での暮らしを伝え、参加者らは平和の大切さや命の重みを改めて考えた。

 羽地や源河集落を含むやんばるの住民らは戦火を逃れるため山で暮らさざるを得なかった。木や草などを利用して小屋を造った。

 名護市青少年育成協議会羽地支部の文化振興部部長の羽山英人さんが、戦時下での住民の暮らしを解説した。住民らは避難生活中、米兵に見つかることを恐れ、昼は声を出さずに隠れて過ごしたことや、夜になると山ヘゴの芯やツワブキの茎などを探しに出たことなどを伝えた。

 児童らは羽山さんや戦争体験者の指導を受けながら木の枝やススキ、月桃を組み合わせながら、約3時間かけて高さ約1・5メートルほどの小屋を造った。羽山さんは「沖縄戦を知り、自分と同じぐらいの子どもたちが悲惨な目に遭ったことを感じてもらえたら」と語った。

 羽地小4年の赤嶺昴哉さん(9)は「戦争中で怖い思いをしながら、時間をかけて小屋を造ったんだと感じた」と話した。