昨年9月、沖縄県読谷村で発生した米陸軍兵による住居侵入事件で、酒に酔った米兵が侵入した時、家には高校に通う長女と乳児の次女しかいなかった。2人の父親である男性によると、事件後、長女は学校に登校できなくなるなど精神的に不安定な時期を過ごしたという。現在は平穏な日常を取り戻しているというが、男性は「娘はレイプされて殺されるととっさに思ったからこそ逃げた。ここで生きていく手段として、そう考えることが当たり前のように身に付いていることがおかしいし、悔しい」と話し、再発防止策を講じるよう米軍に求めた。
米軍は「丁寧に対応している」として、再発防止策を講じるよう代理人弁護士や沖縄防衛局を通じて被害者側が求めた要請書の受け取りを拒否している。事件後、米軍側が直接の謝罪と金銭賠償、簡易軍事裁判の傍聴希望の有無を提示したことに一定の評価をする一方で、被害者側は「米軍側の『やることはやった』というような対応は不誠実と言わざるを得ない。事件の深刻さを理解していないのではないか」と代理人弁護士の白充さんは指摘した。
男性は「事件を忘れる努力をするよりも、ちゃんと話し合いたい」と家族に提案し、何度も話し合った。今回の会見も「米軍や政府にも盾突くような感じ」と不安を抱く。それでも「政府が守ってくれないんじゃないかという思いがあって、父親として娘を守らなければいけない。
白さんは「沖縄の多くの人が悔しい思いや泣き寝入りをせざるを得なかったと思う。今後のことを考えたら、きちんと最後まで粘り強く要請し、『最後までやったんだよ』ということをきちんと県民に知ってもらいたい」と訴えた。