「ビルマの竪琴」ならぬ「うるまのたて琴」が人気 丸み美しく音色柔らか


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たて琴を制作している「てるる詩の木工房」の高良輝幸さん(左)と妻のり子さん=9日、うるま市川田の同工房

 【うるま】てるる詩(うた)の木工房(うるま市川田)のたて琴が人気を集めている。高良輝幸さん(64)と妻のり子さん(48)が二人三脚で制作しており、小型のたて琴は4月から30台が売れた。2人は「ビルマの竪琴」ならぬ「うるまの竪琴」を広めるべく、日々制作に励んでいる。

 工房は2002年に設立した。たて琴を制作する際は、ギリシャ神話に出てくるような左右対称の美しいたて琴をイメージしているという。

 胴の形状は表面が丸みを帯びた「アーチトップ」になっており、平らな場合よりも柔らかく力強い音が出る。先端が握り拳のように丸まっている「わらび手」も、その美しさを際立たせている。

 価格は4万5千円~60万円。9弦のたて琴は、まとめて10個作り完成までに1カ月かかる。41弦のたて琴は、同時に3個作り半年以上の時間を要す。材料となる木は最低8年以上寝かした県産の木を使っている。

 購入者には演奏を楽しむ人だけでなく、幼児教育や音楽療法で使用する人などもいるという。輝幸さんは「たて琴の音は人の心を癒やしてくれる。情操教育にもいい」と語った。その上で「美しい音色をたくさんの人に聞いてほしい」とも話し、うるまのたて琴を広めていきたい考えを示した。