たった6秒で決まった優勝 攻める隙を与えない島袋の取組と思いは わんぱく相撲女子全国大会優勝


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第1回わんぱく相撲女子全国大会で団体の部で準優勝した沖縄代表の(左から)仲宗根未久、比嘉羽里奈、島袋心海=25日、東京都・葛飾区奥戸総合スポーツセンター(幸地剛さん提供)

 第1回わんぱく相撲女子全国大会が25日、東京都・葛飾区奥戸総合スポーツセンターであった。今年初めての全国女子大会は、6年生の部決勝で島袋心海(伊江西相撲クラブ)が榊原佑月(愛知・半田)に勝利し、栄冠を手にした。5年生の部は比嘉羽里奈(伊江西)が8強入り、4年生の部の仲宗根未久(浦城小)は健闘したものの勝ち上がれなかった。

 初戦から盤石な取組で、島袋心海が初代女王の座を勝ち取った。これまで女子はわんぱく相撲全国大会に出場が認められていなかった。周囲から実力を認められ、自負もあった。悔しい思いをしてきた。

 関係者の尽力があって実現した初の女子全国大会。「絶対に優勝して恩返ししたい」とトロフィーを持ち帰ることを誓い臨んだ。感謝を勝利で表そうと、決勝まで圧倒的な力の差を見せつけた。

 「最初から攻めようと決めていた」。決勝の相手は予選から注目していた相手だった。「まわしを取らせたらうるさい。取られる前に攻めて押し出す」。立ち合いと同時に脇腹に差し込むと、一気に土俵際に追い込む電車道。攻める隙は与えなかった。優勝戦を約6秒間で終わらせた。

 島袋は「初めて大きなトロフィーをもらってうれしかった」と言葉からは喜びがあふれ出る。両親や指導者、地域の協力の大きさを挙げ「いつもそばで支えてくれている人たちにまずは感謝を伝えたい」と周囲への感謝も忘れなかった。

 応援に駆け付けた保護者からも、歓声が沸き上がった。共に全国優勝を夢見てきた父・茂明さんの心の中にも、大会の実現に尽くしてくれた人たちの顔が思い浮かんだ。「いろんな人の思いや期待を背負って出場した大会。優勝できてほっとした」と笑みを浮かべた。

 「次は、中学日本一を目指したい」。島袋の目標は、次のステップを見据えている。貪欲に挑む島袋の成長に目が離せない。