2020年の東京五輪に向け、県と読谷村は27日、ニュージーランドのラグビー連盟と事前合宿に関する協定を締結した。同村のホテル日航アリビラで締結式が開かれ、来年7月に強化合宿を行う同国の7人制男子代表「オールブラックス・セブンズ」と同女子代表「ブラックファーンズ・セブンズ」の選手らが出席した。
ラグビー連盟は昨年7月に読谷村を視察。今年2月に男女7人制チームがテスト合宿を張った上で締結を決めた。来年は男女代表の選手14人ずつが来県し、トレーニングを積む。
ハイパフォーマンスセブンズマネージャーのトニー・フィリップ氏は、読谷村を選んだ理由について(1)暑さ対策が可能(2)ジムやグラウンドの施設が充実している(3)読谷村の歓迎―の3点を挙げ「私たちが実力を発揮するという目的を共有し、頑張りたい」と力を込めた。
読谷村の石嶺伝実村長は「チームが万全の態勢で試合に臨めるよう、うとぅいむち(おもてなし)の心で歓待する」とあいさつ。玉城デニー知事のあいさつを代読した富川盛武副知事は合宿を通して「県民との友好関係が深まっていくことを願っている」と述べた。
締結式に同席した読谷高ラグビー部2年の山内優作主将は「世界トップレベルのプレーが間近で見られるのはうれしい。スピードやステップを参考にしたい」と目を輝かせた。
タトゥーへの対応「日本文化に敬意」
選手らのタトゥー(入れ墨)について、日本では浴場などで隠すことを求められることもあることについて、ニュージーランドラグビー連盟のトニー・フィリップ氏は「日本の文化に敬意を表さないといけない。隠す必要があるかを確認し、行動したい」と冷静に対応すると説明した。
フィリップ氏によるとタトゥーは「(ニュージーランドの)マオリ文化の象徴」という。絵や柄が意味する内容については「いろんな意味があるが、一般的には家族とか祖先との関係を象徴するんじゃないかと思う」と応えた。
読谷村の石嶺伝実村長は「沖縄には『ハジチ』の文化があったので特に違和感はない。県内はもとより外国人が多く、県外より受け入れられるのではないか」と推測。文化や伝統との関連を念頭に「背景も知らずに排除するべきではない」との認識を示した。