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ドクターのゆんたくひんたく

〈13〉五十肩と腱板断裂 間違いやすい肩の痛み

 五十肩と腱板(けんばん)断裂は、中高年層の肩の痛みで非常に間違えやすい疾患です。

 五十肩は、肩関節周囲に炎症が生じてしまう疾患で、炎症を抑える治療を行い、その後、肩の拘縮を起こさせないようにストレッチを行い、完治します。

 腱板断裂は一度断裂した腱が治癒することはなく、断裂部が次第に大きくなることがあります。原因は、腱や筋肉の柔軟性が低下しているところに、急に負荷がかかると腱が断裂していくと考えられています。

 五十肩と腱板断裂を見分けるには、超音波検査や磁気共鳴画像装置(MRI)検査が有効です。

 五十肩の問題点として、急性期は主に痛みですが、炎症が慢性化すると肩関節の拘縮を生じ関節の動きが制限されます。さらに関節の拘縮は、家事や就寝時の寝返りなど組織へのごく軽いストレスに対しても痛みが生じ、日常生活に支障を来してしまいます。

 そのため治療は、発症から1カ月前後の急性期では、安静にして抗炎症剤(痛み止め)等を使用して炎症を抑えます。発症から2~3カ月後、拘縮が生じてくる慢性期には、肩関節に負担のかかる作業を控えながら肩の動きを改善させるストレッチを行います。

 関節の動きの悪い間、痛みが生じなくても重い物を持ったり強く引っ張ったりすると、関節周囲の組織を傷つけて炎症が治まるのを妨げるため、これらを避けることが大事です。


 腱板断裂は断裂した腱が治癒することはないため、痛みが強くならないようにすることと、断裂部が大きくならないようにすることが重要です。注射や内服などで痛みを軽くしながら、断裂した腱に負担がかかりにくくするために、肩関節周囲の硬さを改善させるストレッチを行います。

 それでも痛みが続いたり、断裂部が大きくなって肩の動きが悪くなったりするようであれば、手術も考慮します。手術は、断裂が非常に大きくなければ傷が小さい関節鏡で行います。

 個人での判別は困難なため、痛みがある時は整形外科を受診してください。

(安里英樹、首里千樹の杜クリニック、整形外科)



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