沖縄電力(本永浩之社長)と沖縄セルラー電話(湯淺英雄社長)は30日、連携して家庭向けの電力供給を手がける「auでんき」のサービスを県内で開始すると発表した。沖電が電力供給を行い、契約者への料金請求など代理販売を沖縄セルラーが担当する。沖縄セルラーのモバイルや光通信の利用者が対象で、電気料金に応じてコンビニなどで使えるポイントの還元を受けられる。
11月19日からサービスの受付を始める。サービス提供地域は沖縄本島と周辺離島で、宮古や八重山は含まれない。電力小売りの全面自由化で県内でも各社の競争が激しくなる中、沖電は沖縄セルラーとの連携で差別化を図り、新電力への契約切り替えの食い止めを目指す。沖縄セルラーも、電気と通信を組み合わせた新たなサービス開始で新規利用者の増加につなげる。
KDDIは2016年4月に、電力の小売り全面自由化に伴って沖縄以外のエリアで「auでんき」のサービスを始めている。沖縄での開始により、全国展開が実現する。
auでんきのサービスを利用した場合、電気料金は沖電利用時と変化しないが、月々の電気料金に応じて1~5%のポイント還元を受けられる。ポイントは飲食店などで利用できる。モバイルや光通信などの利用料と電気料金を一括して支払えるほか、専用のアプリケーションで電気の利用状況や料金予想などを確認できる。
沖縄セルラーは22年度末までに4万5千世帯の契約を目標に掲げる。
記者会見で沖電の本永社長は「県民に満足してもらえるサービスを提供することで新規のお客さまを獲得でき、他社へ切り替えた利用者に戻ってきてもらえる」と期待を込めた。沖縄セルラーの湯淺社長は「沖縄電力と業務提携をして、経済的で利便性の高いエネルギーサービスを提供する」と強調した。