「泡盛条例」の町が次に目を付けたのは…セーイカ 大学生提案基に与那原町で初の祭り


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セーイカ料理と泡盛を堪能した「泡盛とセーイカまつり」参加者=8月23日、与那原町の「居酒屋新波」

 【与那原】与那原町の飲食店で8月23日、「泡盛とセーイカまつり」が初開催された。与那原西原漁協の安定したセーイカ(ソデイカ)漁獲量に着目した琉球大学の学生3人が授業の一環で「与那原町をイカの町に」と題した町活性化案を町に提案。役場職員ら有志が、全国で初めて施行された「琉球泡盛で乾杯を推進する条例」と絡め、催しを企画した。参加した学生や照屋勉町長は、セーイカ料理に舌鼓を打ちつつ、セーイカや泡盛を使った町の活性化の可能性について語り合った。

 セーイカの漁期は、例年11月から翌年の6月まで。与那原町と西原町は2016年、拠点産地に認定されている。

 セーイカを活用した取り組み案を町に提案したのは、琉大の与那嶺東さん(23)=工学部4年=と徳元美穂さん(19)=人文社会学部2年、飯山豊生さん=同学部1年=の3人。共通教育科目「地域企業(自治体)お題解決プログラム」(畑中寛准教授)の授業内で与那原町の現状を学び、現地調査を経て提案した。

 3人は「安定した漁獲量のあるセーイカは、特産品として町をさらに活性化させるはずだ」と考えた。傷がついて市場に出せないイカを給食センターや居酒屋に提供することで、町内にセーイカを流通させる方法などを提示した。

 3人の提案を受けた町職員らは、7月に全国で初めて可決した「琉球泡盛で乾杯を推進する条例」と絡めて、今回の催しを実現させた。当添漁港から7キロのセーイカ1杯を提供してもらい、お店では10種類近いセーイカ料理が振る舞われた。

 提案者の一人、徳元さんは「町内のいろんな場所でセーイカが食べられるようになれば、特産品としてのセーイカがもっと浸透するはずだ」と話した。与那嶺さんは「与那原ヒジキのように、与那原の目玉として売り出してほしい」と強調した。

 同席した照屋町長は「学生の素朴で新鮮な指摘は、町の宝を再認識させてくれた。大綱曳やヒジキ同様、今後はセーイカも町の大きな魅力としてアピールしたい」と話した。