災害時の電力、EVから供給 中城村 一括交付金活用で県内初


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 【中城】沖縄県中城村は災害発生時、停電した避難所に電気を供給するため、電気自動車(EV)4台と、EVから電気を供給する可搬型給電器4台を本年度から導入する。予算額は約1610万円で、沖縄振興一括交付金を活用する。村によると、一括交付金で給電器を購入するのは県内では初めて。

 昨年9月の台風24号の襲来により、村内でも数日間停電したことを踏まえた対応。購入後、10月以降にテスト運用する予定。

 日産のEV「リーフ」を電力源に給電器から避難所の照明や扇風機、テレビ、携帯電話の充電などに使用できる。リーフの電力量なら、必要最小限の生活を3日間送る電気を賄える。リーフは排ガスが出ない利点もあるという。

 給電器は38キロの重さで、大人1人で持ち運べる。村にはガソリンを燃料にする発電機が1台あるが、重さ118キロで、移動には3人がかりだった。村内は災害時の指定避難所が24カ所あり、4台のEVと給電器を必要に応じて現地で活用する。

 この取り組みは「災害時避難所発電システム導入事業」で、約1347万円のリーフ購入は7月の村議会臨時会で可決された。防災を担う村総務課の比嘉聖也主事は「避難所などの円滑な運営を行い、村民の安全確保に努めたい」と話した。