世界遺産登録で現地調査 ユネスコ諮問機関 来月、沖縄本島北部と西表


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 政府が世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の4カ所について環境省は6日、自然遺産登録の可否を勧告する国際自然保護連合(IUCN)の専門家による現地調査が10月5~12日の日程で行われると発表した。IUCNによる4カ所の視察は2017年にも行われたが、本島北部にある米軍北部訓練場の一部返還地の位置付けを巡ってIUCNが18年に「登録延期」を勧告したため、登録は見送られた。政府は推薦書を再度提出し、今回は2度目の視察となる。

 IUCNは国際教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関で、政府が推薦した遺産候補地の現状や持続可能な環境保全の対策が講じられているかなどを確認する。視察後の書類審査などを経て、20年夏ごろに登録の可否が決まる予定。現時点で来日する専門家や視察調査の詳細な日程は分かっていない。

 18年の勧告でIUCNは北部訓練場が世界自然遺産の推薦値やバッファゾーン(緩衝地帯)にも指定されず、高い水準の景色や生態系の連続性があるにも関わらず、地図上は分断されているようにも見えると指摘していた。その上で北部訓練場を推薦地全体の管理計画の中に組み込むことなどを求めていた。