飛行差し止め、再び棄却 国に261億円賠償命令 減額、健康被害も認めず 第3次嘉手納爆音判決


この記事を書いた人 問山栄恵
第3次嘉手納爆音差止訴訟の控訴審判決の内容を伝える原告側の関係者ら=11日午後、那覇市の福岡高裁那覇支部

 米軍機の夜間・早朝の飛行差し止めなどを求めた第3次嘉手納爆音差止訴訟の控訴審判決が11日午後、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)で言い渡された。米軍機の飛行差し止め請求は棄却した。一方、国に総額261億2577万円の賠償の支払いを命じた。損害賠償は一審よりも減額された。一審では認めていた健康被害については認めなかった。読谷村座喜味以北の原告の賠償を認めた一審判決を支持した。

 一部原告が米国を相手に損害賠償と早朝・夜間の米軍機の飛行差し止めを求めた「対米訴訟」の控訴審判決も11日午後に言い渡され、高裁那覇支部の大久保裁判長は控訴を棄却した。

  第3次訴訟は2011年4月に提起された。原告は国内の基地爆音訴訟では最大規模の2万2千人。17年2月に那覇地裁沖縄支部は米軍機の飛行差し止め請求は棄却したが、過去最高水準の損害賠償を国に命じた。【琉球新報電子版】