津波響樹(走り幅跳び)が世界陸上へ 県勢で初 「上位目指す」


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津波響樹

 日本陸連は11日、第17回世界陸上選手権(9月27~10月6日、ドーハ)の代表選手を追加発表し、走り幅跳びで津波響樹(那覇西高―東洋大4年)が選ばれた。県勢の世界選手権出場は初めて。8月に福井県で開催された大会で世界選手権と五輪の参加標準記録を突破していた。

 津波は11日、「まだ通過点にすぎず、選ばれただけで満足はしない。プレッシャーに打ち勝ち、上位入賞を狙う」と話した。

 世界選手権を本格的に意識したのは2017年の大学2年次の日本学生対抗選手権で8メートル09を跳んだ時だった。「言葉では誰でも言えるけど、結果がついてきた」。2学年上だった100メートルの桐生祥秀らと競い合いながら、徹底して助走のスプリント力を磨いてきた。めきめきと力をつけたことし5月の関東学生では追い風参考ながら8メートル26の大跳躍を見せた。

 成長を実感していたが、6月の練習中に踏み切り足の肉離れを起こした。直後の日本選手権も出場は断念した。それでも「数日間は落ち込んだけど、すぐに切り替えた」と世界選手権出場の目標は揺らがなかった。

 7月のユニバーシアード夏季大会は練習不足で予選落ちしたが、8月のナイトゲームズ・イン福井で8メートル23を跳び、世界選手権の標準記録の8メートル17と五輪標準記録の8メートル22を同時に超えた。「目標としていることを一つ一つかなえて結果がついてきた」と手応えを得た。

 ナイトゲームズでは、けがを考慮して2本のみの跳躍に抑えた。それから完全復活を果たし、さらなる躍進に向け、練習にもより身が入る。初めてのシニアでの日本代表入りに「やっとここまできた。出るからには上位入賞を目指す」と向上し続ける。