辺野古巡り平行線 玉城デニー知事、衛藤沖縄相と初会談


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衛藤晟一沖縄担当相(左)に要望書を手渡す玉城デニー知事=13日午後、県庁

 衛藤晟一沖縄担当相は13日、大臣就任後初めて来県し、県庁で玉城デニー知事らと会談した。玉城知事は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について「私が選ばれた知事選や2月の県民投票で民意は示されており、そのことを踏まえて県との対話に真摯(しんし)に応じていただきたい」と求めた。これに対し衛藤氏は「基地負担軽減は内閣を挙げて頑張ることだ。内閣の方針に沿って、頑張らなければならない」と述べるにとどめ、議論は平行線に終わった。

 第4次安倍再改造内閣の閣僚が玉城知事と会談するのは衛藤氏が初めて。

 玉城知事は2020年度沖縄振興予算の確保や鉄軌道の早期導入、国際物流拠点機能の拡充、子どもの貧困対策の推進など21項目の要望書を衛藤氏に手渡した。その上で「沖縄の抱える、さまざまな課題の解決に向けて引き続き協力してほしい」と要請した。

 衛藤氏は「知事や市町村はじめ沖縄の皆さんの考え方も伺いながら本当に沖縄のためになる沖縄振興策に取り組んでいきたい」と述べた。

 衛藤氏は新里米吉県議会議長とも面談した。新里議長は、日米地位協定の抜本改定や米軍普天間飛行場の運用停止などを求める要望書を手渡し「県議会において全会一致で決議した内容だ。配慮をお願いしたい」と求めた。

 この後、衛藤氏は記者団の取材に応じた。辺野古問題を巡る国と県の対立について12日に「感情のもつれ」と発言したことの真意を問われ「(県の主張は)国と完全に一致しているところと一致していないところもある。そういう歯車が組み合うように、つなぎの役をしなければならないと思っている」と述べた。

 衛藤氏は玉城知事らとの会談に先立ち、国立沖縄戦没者墓苑や平和の礎、出身地である大分県の戦没者がまつられた大分の塔などを参拝した。