県基地対策課は13日、在沖米海兵隊から米軍船舶「オープンウォーターセーフティーボート」が17、21日の両日に本部港を使用するとの通告があったと発表した。県は使用の自粛を米海兵隊や沖縄防衛局に求めたが、米側は「伊江島補助飛行場での訓練のため必要だ」と応じない意向を示したという。県基地対策課は「住民が不安がる恐れがあるほか、一般の船舶が使用するので民間港湾の使用は控えてほしい」としている。米軍船舶の民間港湾の使用は過去に祖納港(与那国町)や石垣港(石垣市)などであったが、本部港は初めて。
米軍基地に詳しいリムピースの頼和太郎編集長は「伊江島でのパラシュート降下訓練で海上に落ちてくる兵士を救助するなどの目的があるのではないか」と話している。
オープンウォーターセーフティーボートは全長約10メートルの船舶で、船底部分がゴムでできている。うるま市沖でのパラシュート降下訓練で救助用などで活用されている海兵隊の船舶だ。
日米地位協定第5条は「合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる」と定めており、米軍は県の自粛要請を受け入れず、使用を強行するとみられる。
県によると、10日に在沖米海兵隊から本部港管理事務所に港使用の通告書が提出された。県は11日と13日の2度にわたって使用自粛を口頭で要請したが、米軍は応じない姿勢を示した。
県内民間港の米軍艦船の使用は2007年の与那国町の祖納港、09年の石垣市の石垣港、10年の宮古島市の平良港、16年の伊江村の伊江港の4港あり、今回入港すれば5港目となる。