県内企業の障がい者雇用率が全国平均を大きく上回るなど、働く障がい者の数は年々増加している。その一方で、障がい者の雇用が義務付けられている企業のうち約4割が法定雇用率を達成できていない。県内では、障がい者を積極的に雇用する企業とそうでない企業の二極化が鮮明となっている。県内経済の好況を背景に雇用情勢の改善が進む中、障がい者雇用のさらなる理解促進が求められている。
従業員45・5人以上の民間企業は、障害者雇用促進法により、全従業員に占める障がい者の雇用率を2・2%(法定雇用率)以上とすることが定められている。
沖縄労働局(福味恵局長)が今年4月に発表した集計結果によると、障がい者の雇用が義務付けられている民間企業の2018年実雇用率は2・73%(同年6月1日時点)と沖縄は全国で最も高く、7年連続で法定雇用率を上回り、雇用障がい者数とともに過去最高を更新している。全国最高値となったのは、統計のある1977年以降初めてだ。
沖縄労働局は、県内の雇用率が改善した要因に、障がい者雇用に対する事業主の理解の深まりや関係機関の連携による取り組みの強化などを挙げた。一方、障がい者雇用が進まない対象企業の割合が約4割に上るなど課題も残る。
県内の雇用障がい者数は前年比699人増の4675人、雇用率も前年より0・30ポイント上昇し2・73%と、全国平均の雇用率2・05%を大きく上回った。
対象企業985社のうち法定雇用率を達成している企業数は568社で、割合は57・7%。一方で42・3%に上る417社は達成しておらず、そのうち6割にあたる252社は、障がい者を雇っていない「0人企業」だった。
沖縄労働局は、障がい者を雇用した経験のない企業が環境を整えられるよう「先行事例を紹介するセミナーを開催するなど関係機関と連携し、企業の段階に合わせて支援する」との方針だ。
(吉田早希)