沖縄はとがったベンチャー多い ツイッターなど最先端で働く30代男性たちが語るそのわけとは…


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 沖縄県出身でツイッタージャパン(東京都)で働く比嘉正也さん(35)と、ヤフーやLINEでの勤務を経て福岡県でデータ分析関連会社NOBDATAを起業した大城信晃さん(35)。IT(情報技術)の最先端の現場で働く2人を那覇市泉崎の琉球新報社に招き、沖縄のIT環境の現状や業界への就職を目指す学生らへの助言などを聞いた。

(左から)大城信晃さん 比嘉正也さん

―現在の仕事について教えてほしい。

 比嘉さん ツイッタージャパンで営業関連の業務を担当している。ツイッターで発信する広告について、売り込み方やより効果的な手法など、代理店と一緒に戦略を練っている。

 大城さん 昨年、福岡でデータ分析会社を立ち上げた。データの分析業務や、企業がデータ分析の部署を立ち上げる際の支援などに取り組んでいる。

―沖縄のIT環境は全国と比較してどうか。

 大城さん AI(人工知能)やITの分野について、正直、九州より進んでいると感じる。とがった技術を持つベンチャーが多く、個々では東京にも負けていない。沖縄は内需が少ない分、仕事を取るために県外に打って出る必要があり、技術の向上につながっている部分があると思う。

 比嘉さん IT企業が活動しやすい制度などが充実しており、可能性は大きいと感じている。従業員の構成も県内出身者と県外出身者が半々など、バランスがいい企業が多いと聞く。そういった点も企業の技術力を高める上でプラスに働いていると思う。

―注目している取り組みなどはあるか。

 大城さん 自治体や関連団体が進める「リゾテック」の取り組みだ。イメージ先行的とは思うが、沖縄×ITのブランド化を考えたとき「観光テック」など特定分野に絞るのではなく、リゾートの付加価値を高めるあらゆるIT関連の取り組みを集積するという考えはうまいと思った。

 リゾテックで成功すれば、国内で追随できる都道府県はない。壮大なオープンイノベーションの実験と言える。多くの取り組みの中で失敗もあるかもしれないが、成功した部分を伸ばせばいい。注目度は高い。

―IT業界を目指す学生へのアドバイスはあるか。

 比嘉さん 昔は東京のIT企業で働いただけで「すごい」と言われたし、実際に技術も情報も東京に集中していた。今は沖縄にも東京に負けない技術、情報、人材が集まっている。ぜひいろんな人と会って話を聞き、失敗を恐れずに挑戦してほしい。

 大城さん 最近は最先端の技術を学び合う勉強会やコミュニティーが充実しており、こうした集まりに積極的に参加してほしい。業界で働く人に交ざって自分の研究を発表したり、意見をもらったりできるのは大きな経験になる。

(聞き手・外間愛也)