粟国空路再開で航空連が沖縄県に提言したことは…


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県へ提出した那覇ー粟国航空路線再開に向けた提言を示す航空連の菊池富士夫政策担当顧問=11日、県庁記者クラブ

 国内の主要航空会社の労働組合が加盟する航空労組連絡会(航空連、近村一也議長)は11日、運航を休止している那覇―粟国間の航空路線再開実現に向け、航空会社の選定や県の行政スキーム(枠組み)構築など3項目を県に提言した。

 提言では、第一に公共交通機関として質の高い就航能力を有する航空会社を選定する必要があるとした。具体的には国内定期航空運送事業者の日本エアコミューター、オリエンタルエアブリッジ、琉球エアーコミューターの3社を挙げた。また航空輸送事情として小型プロペラ機から中型機への流れがあるとして、粟国空港の滑走路延長が避けられない課題だとした。

 また第一航空が提示した赤字見込額約2億6千万円について、県はその根拠を検証したかを明らかにすべきだと指摘。さらに、県がかつて県営航空会社の設立を検討した経緯も踏まえ、離島航空政策を担う県の体制やスキームの構築が必要だとした。

 さらに石垣―波照間・多良間路線の安定運航維持のための運航費補助スキームの構築が必要だとした。

 那覇―粟国間は大阪市に本社がある第一航空が運航していたが、2015年8月に事故を起こし、休止した。18年1月に運航を再開したが、18年度の補助金額を巡り調整が難航した。同社は赤字見込額を2億6千万円と提示したが、県と村は「過大」と指摘し、補助対象として認めなかった。同社は同年4月に再び運航を休止し事務所を閉鎖し事実上撤退した。県は複数の航空会社との再開に向けた調整が難航していると今年3月に明らかにしている。