ありがとう、ユカタン! 国内最高齢のマナティー死ぬ 沖縄美ら海水族館が発表


この記事を書いた人 問山栄恵
死亡した国内最高齢のアメリカマナティーのユカタン(沖縄美ら島財団提供)

  【本部】本部町の沖縄美ら島財団は17日、運営する沖縄美ら海水族館で飼育していたアメリカマナティーの「ユカタン」が10日に死亡したと発表した。亡くなったユカタンは42歳(推定)で、国内で飼育するアメリカマナティーの中では最高齢。8月中旬頃から真菌感染症の治療を続けていた。詳細な死因については現在調査中だ。同財団は「今後、病理検査をして死因究明に努める」とした。
  
  ユカタンはメキシコのユカタン半島サンホアン湖の出身。1978年、メキシコ政府から同財団に寄贈された。名前は生息地にちなんで名付けられた。
  
  90年にメスの「メヒコ」との間に「ユメコ」(98年死亡)をもうけ、国内初の海牛類繁殖成功例となった。この繁殖で美ら海水族館は日本動物園水族館協会の繁殖賞を受賞した。
  
  ユカタンはユメコを含む6頭の誕生に関与し、アメリカマナティーの生態や繁殖生理の解明に大きく貢献した。ユカタンを飼育して11年になる沖縄美ら海水族館海獣課の徳武浩司課長は「非常に悲しく残念だ。園には2001年に生まれたユカタンの子、ユマがいる。ユカタンの分までお客さんを楽しませてほしい」と話した。【琉球新報電子版】