中島理事長を解任 ISCO 勤務形態巡り対立


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中島洋氏

 沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)が18日に開いた臨時理事会で、理事長の中島洋氏(72)を任期途中で解任したことが分かった。

 ISCOは解任の理由について「(中島氏が)必要な段階を踏まずに勤務形態や報酬の変更を求め、組織内に混乱をもたらした」と説明しているが、中島氏は「理事長の当然の職務を果たそうとしただけだ。県がISCOを支配しようとしている」と反発している。

 ISCOは既存産業とITを結び付けて産業全般の振興を図ることなどを目的に2018年5月に設立し、同7月から本格始動した。県が25%以上を出資する外郭団体としては異例の「公募」で理事長と専務理事を決めた。

 中島氏は日本経済新聞記者、慶応義塾大教授を経て、MM総研代表取締役所長としてISCO理事長に就任した。任期は20年6月までの2年だった。

 当面は県から出向している盛田光尚常務兼事務局長が、暫定理事長を務める。新理事長の選任については再度公募するのか、理事の推薦で決めるのかなどを含めて今後議論する。

 理事長は非常勤で年間100日勤務、報酬は1日4万7千円で上限470万円という条件だった。ISCO側の説明では、中島氏は常勤化とそれに伴う報酬の向上を求めていた。本来なら理事会を通して評議会の承認を得るべきだが、事務方に要求をして収拾が付かず、業務に支障を来していたという。

 これに対し琉球新報の取材に応じた中島氏は、市町村などとの連携覚書締結や会合出席など業務が多く、今年1月までの半年だけで出勤日が90日を超えたと説明。年度末で業務が忙しい2~3月に出勤を控えるよう事務方から求められたといい、中島氏は「報酬増が目的ではなく、組織を監督するために常勤化を求めた」と批判した。