台風17号 沖縄で19人けが、停電4万戸 渡嘉敷で風速47メートル


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暴風の影響で根元から倒れたガジュマル=21日午後3時30分ごろ、那覇市松尾

 大型で強い台風17号は21日未明から夜のはじめごろにかけて、暴風域を伴いながら沖縄本島地方に接近し、久米島の西海上を北上した。台風の非常に強い風にあおられるなどして、19人が軽傷を負ったほか、本島では倒木や土砂崩れなどが相次いだ。台風は21日午後9時現在、東シナ海にあり、沖縄本島地方から徐々に遠ざかっている。 

 台風が沖縄本島地方に接近したことで、21日明け方にかけて渡嘉敷村では最大瞬間風速47・7メートル、南城市糸数で同46・5メートルの非常に強い風が吹いたほか、那覇市でも同41・1メートルを観測した。粟国村では1時間に41・5ミリの激しい雨が降った。暴風の影響で、那覇市の松尾公園では10メートル以上あるガジュマルが倒れたことが確認された。

 沖縄電力によると、台風の影響で21日午前10時ごろ、本島や周辺離島で最大約4万戸が停電した。午後10時40分現在、2820戸が停電している。空や海の便でも欠航が相次ぎ、県内の空港を発着する国内線で少なくとも265便、約3万5千人に影響があった。台風が九州地方へ向かっている影響で、22日に那覇空港と県外を結ぶ航空路線でも欠航や変更などが出る見通し。

 県の防災情報によると、県内の自治体が設置した避難所には61世帯、69人が避難した。21日午前7時ごろに那覇市役所に避難したという50代女性は「昨夜から雨や風の音を聞いて危ないと思って避難した。できればもっと早く避難所を開設してほしかった。早く自宅に帰って落ち着きたい」と不安そうな様子で語った。

 気象庁によると、台風17号は21日午後9時現在、時速20キロの速さで北へ向かっている。中心付近の気圧は970ヘクトパスカル、最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートル。台風の影響は22日も続き、沖縄地方の沿岸海域はうねりを伴い大しけや猛烈なしけとなる。本島地方では波の高さが8メートルとなる見通し。多い所で1時間に30ミリの激しい雨が降る見込み。