美しく力強く重なり合い 長谷川萌子ソプラノリサイタル


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ヴェルディのオペラ「リゴレット」より二重唱「お父様! 娘よ泣くがいい ~恐ろしい復讐(ふくしゅう)こそが」で共演する長谷川萌子(右)と翁長剛=14日、那覇市のパレット市民劇場

 声楽グループ「ソーニョ」所属のソプラノ歌手・長谷川萌子のリサイタルが14日、那覇市のパレット市民劇場であった。「長谷川萌子ソプラノリサイタル~歌曲とイタリアオペラの世界~」(ソーニョ主催、沖縄オペラ協会、混声合唱団アミーチ共催)と題し、翁長剛(バリトン)と平良浩子(ピアノ)を迎えて、ヴェルディのオペラ「仮面舞踏会」より「知りたいでしょう!」などオペラ作品を中心に披露した。重なり合う長谷川の突き抜けるような美しい高音と翁長の味わい深い歌声は、満場の観客を圧倒した。

 リサイタルはスカルラッティの「Le violette (すみれ)」で幕を開けた。軽やかに響く長谷川の歌声は美しく、観客をうっとりさせた。八重山のわらべ歌「月ぬ美しゃ」では情景が浮かぶような歌声を披露した。

 ヴェルディのオペラ「仮面舞踏会」より「知りたいでしょう!」では、オスカル役を長谷川、レナート役を翁長が務めた。長谷川は「トゥラ、ラ、ラ、ラ」と軽快に歌い、からかいを楽しむような小気味よい表現を見せた。

 同じくヴェルディのオペラ「リゴレット」より二重唱「お父様! 娘よ泣くがいい ~恐ろしい復讐(ふくしゅう)こそが」では、翁長がリゴレット役、長谷川がジルダ役で歌った。長谷川の澄んだ声を翁長の深みのある声が包み込み、美しいハーモニーが会場に響き渡った。終盤、2人は観客が息を飲むような力強い歌声を聴かせ、会場からは「ブラボー」の声と割れんばかりの拍手が送られた。
 (関口琴乃)