小柄な少女たちは15キロ以上ある弓を軽々と引いて見せる。弓道少年女子の3人は大一番で実力以上の力を発揮する強心臓ぶりで16年ぶりに本国体出場を決めた。津嘉山華楓(小禄3年)、脇川桜弥(興南2年)、糸数智恵(同1年)は全国でも上位を目指し、的を一心に狙い続ける。
弓道の少年女子の本国体出場は2003年の静岡・わかふじ国体以来だ。3人を率いるのは、16年前に選手として出場した外間みゆきさん。成年の代表も務め、沖縄の弓道界をけん引してきた第一人者も3人の肝の太さには驚かされるという。
この16年間、県代表には全国で上位入賞を狙える実力者が選出されてきた。だがほとんどは高校総体を終え、九州ブロック大会まで数週間しかない過密日程の中の調整に苦しんだ。気持ちを切り替えられないまま臨み、実力を発揮できずに姿を消していった。
だが3人は違った。ブロック大会で射場(いば)に立つ前、まっすぐと外間監督の目を見て「任せてください」と自信満々に宣言した。言葉通り、近的は24射中18中で3位、専門外の遠的では6位に入り、総合3位で代表権をつかみ取った。厳しい日程の中でもしっかりと準備し、重要な大会で力を発揮した。外間監督は「頼もしいな」と驚きっぱなしだったという。
大前を務めるのは3年の津嘉山。弓道のために小禄に進み、3年目で念願の代表を務める。「後輩には負けたくない。最後の大会なので、できること全部やりたい」と強調した。要とされる中(なか)の脇川は「悪い流れは止め、良い流れをつくる」と淡々と話した。全国総体で個人4位入賞を果たした落ち・糸数は「しっかり責任を果たしたい」と堂々と語り、チーム一丸で全国に臨む。 (喜屋武研伍)