悔しさ残る渡口妃龍、完敗に笑顔なく レスリング成年57キロで3位


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 【茨城国体取材班】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体2019」第2日は29日、茨城県の各地で行った。レスリングフリースタイル57キロ級の成年男子で大城一晟(浦添工高―国士舘大出、自衛隊)、少年男子で125キロ級渡口妃龍(北部農林高)が3位入賞した。

準々決勝 前へ攻め続ける渡口妃龍(左)=29日、茨城県のアダストリアみとアリーナ

 準決勝の開始数秒、渡口妃龍は組みにいった腕を取られ、まさかの一本背負いで投げられ4点を奪われた。「相手はタックルが得意。そこを警戒していたのでまさか投げとは。頭が真っ白でした」。瀬戸際の1―10で粘ったが、再び投げられて完敗に終わった。

 調子は良かった。普段は緊張で硬くなるが、アップから体がほぐれた。屋比久保監督らも「きょうの妃龍は勢いがある」と話していた。その期待に応えるように準々決勝は「自分でも驚いた」という捨て身の投げ技を決めて逆転に成功した。

 自分に期待感すら抱いていた準決勝前。OBの仲里優力らから組みや前さばきのアドバイスを受け、イメージは十分だったが、対戦相手は幼少期から競技を続けてきた選手。渡口は高校から競技を始めた。経験値の差で、投げ技を合わされてしまった。

 全国選抜、南部九州総体に続いての3位。屋比久監督は「相手とのキャリアを考えたら上出来だ」と認めるが、渡口は「高校最後の大会で、2位以上の結果を残したかった」と笑顔はなかった。「大学で2位以上になる。全日本選手権に出場し、その先のオリンピックを目指したい」。悔しさは次のステージで晴らす。
 (嘉陽拓也)


第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体2019」

(アダストリアみとアリーナ)
▽成年男子フリースタイル57キロ級準々決勝
大城一晟(自衛隊) 7―4 竹下雄登(大阪・日体大)

▽同準決勝
新井陸人(鹿児島・日体大) Tフォール4分13秒 大城一晟(自衛隊)

▽女子フリースタイル53キロ級準々決勝
吉元玲美那(埼玉・至学館大) Tフォール38秒 大城愛(北部農林高)

▽同フリースタイル62キロ級準々決勝
熊野ゆづる(青森・日大) Tフォール1分31秒 屋比久すず(国士舘大)

▽少年男子フリースタイル125キロ級準々決勝
渡口妃龍(北部農林高) 5―5内容勝ち 篠村紘人(山形・山形商高)

▽同準決勝
中里優斗(群馬・市太田高) Tフォール1分9秒 渡口妃龍(北部農林高)