石垣島、竹富島、11時間通信途絶 固定電話、携帯、ネット使用できず 119番対応できず、航空便も欠航


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
通信障害の影響で搭乗手続きができず混雑する石垣空港=1日午前9時ごろ、石垣市

 台風18号の影響で、石垣市と竹富町の全域で9月30日午後9時45分ごろから固定電話と携帯電話、インターネットが使えなくなった。NTT西日本沖縄支店によると、約11時間後の1日午前9時前に全面復旧したが、自治体や警察の被害状況の確認などに支障が出たほか、石垣空港では停電や通信障害により、午前の発着便22便が欠航、約2800人に影響が出た。

 NTT西日本沖縄支店によると、9月28日に与那国町と竹富町を結ぶ通信回線が損傷していたことに加えて、30日夜には台風18号により宮古島市と石垣市を結ぶ回線も損傷。携帯電話やネットの回線も含まれていたため、加入電話約8600回線、フレッツ光など約1万3500回線、専用線など約400回線が不通となった。

 町役場の庁舎が石垣市にある竹富町は、周辺離島の出張所と連絡ができない状態が続いた。石垣市も119番対応のため、消防車両を市内に巡回させるなどして対応に追われた。両市町は通信障害の復旧後に本格的な情報収集に当たったが、負傷者など目立った被害はなかったという。

 県警も110番が受理できなくなった。八重山署は休みの署員を招集して署や交番に配置し、市民への対応を強化。パトカーが管内を巡回し警戒に当たった。

 石垣空港では停電の影響も加わり、航空カウンターなどで発券や搭乗手続きができず空港機能が停止した。航空各社や県空港課によると、1日午前中に石垣空港を発着する那覇や羽田便など22便が欠航した。

 気象観測にも影響が出た。気象庁によると、30日夜から石垣島地方気象台との通信ができなくなった。八重山地方のレーダーデータが利用できず、解析雨量などの情報の精度低下が起きた。1日午前10時までに復旧したという。

 沖縄電力によると、1日午前2時に石垣市と竹富町、与那国町で計約2490世帯が停電していたが、午後4時すぎ解消された。