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スラダン聖地 観光客殺到 鎌倉 住民生活に影響、誘導員配置


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅付近の踏切で写真を撮る観光客ら=5日、神奈川県鎌倉市
 人気バスケットボール漫画「スラムダンク」の「聖地」とされる江ノ島電鉄の踏切周辺に観光客が殺到しているとして、地元の神奈川県鎌倉市は9月から、交通誘導員を平日にも配置し始めた。従来は土日や大型連休に限っていたが、住民生活を脅かす「オーバーツーリズム」の懸念があり、拡充を決めた。
 真っ青な海に強い日差しが降り注いだ5日午後。テレビアニメ版のオープニングに登場した「鎌倉高校前1号踏切」付近は、中国語や韓国語が飛び交い、スマートフォンを持つ人で埋め尽くされていた。誘導員が「(歩道に)上がって」と大きな声で注意する場面もあった。
 市によると、元々人気スポットだったが、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の公開後はさらに過熱。海を背景に車道で写真を撮影したり、ゴミを捨てたりする迷惑行為が散見されるという。
 市と江ノ島電鉄は交通誘導員を9月以降、平日にも配置すると決定。時間は午前10時~午後6時までで、人件費は市と江ノ島電鉄が折半する。
 また、市は「私有地に入らない」「交通を妨げない」などと日本語、英語、中国語、韓国語で書いたポスターを作った。今後、希望する民家が掲示する。市の担当者は「車を無視して車道で撮影する人もおり、地域住民の生活に影響が出ている。迷惑行為をせず、節度を持って楽しんでほしい」と呼びかけている。