児童虐待 最多21.9万件 22年度 32年連続増、沖縄は2585件


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 全国の児童相談所が2022年度に児童虐待の相談を受けて対応した件数が最多の21万9170件(速報値)に上ったことが7日、こども家庭庁のまとめで分かった。前年度比で1万1510件(5・5%)増え、1990年度の統計開始から32年連続で増加。暴言や態度などで心を傷つける心理的虐待が全体の6割近くを占めた。
 沖縄は2585件で、前年度に比べ76件(3%)増えた。
 こども庁によると、心理的虐待の中では、子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV」が目立つ。担当者は「夫婦げんかなどで出動した警察からの通告増が要因として大きい」と分析し、対応する児相や自治体への支援を強化する考えを示した。
 虐待相談対応件数は90年度以降、千件台が続いていたが、99年度に1万件を超え、増加幅を大きくしながら2015年度に10万件を、20年度に20万件を上回った。
 22年度の件数の内容別は、心理的虐待が12万9484件(59・1%)で最も多く、次いで身体的虐待5万1679件(23・6%)、ネグレクト(育児放棄)3万5556件(16・2%)、性的虐待2451件(1・1%)の順だった。いずれも前年度から増えており、心理的(4760件増)、ネグレクト(4108件増)の増加幅が大きかった。
 虐待相談経路は、警察が11万2965件(51・5%)と半数超を占め、近隣・知人が2万4174件(11・0%)、家族・親戚が1万8436件(8・4%)と続いた。