今年1月から中国の女子プロサッカーチーム、上海農商銀行を率いる。東京五輪を経て、日本の女子代表「なでしこジャパン」監督を退任し1年以上。指導者として「燃え尽きた感があったが、サッカーに対しての思いは消えていなかった」と、異国の地で再び歩み始めた。
チームからオファーがあったのは昨年秋。熱心な誘いに少しずつ心を動かされ「経験をどこかで役立てられれば」と、約2カ月後に承諾した。
来てみれば上海のチームは、ハード面が日本のクラブに負けないくらい充実し、選手のサッカーへの思いも強かった。一方、一度パスを出したら足が止まってしまったり、守備の切り替えが遅かったりと、ピッチ上での姿勢には日本人選手との違いも感じた。
指導では動きを止めずにプレーする勤勉なスタイルを理解、実行してもらうよう意識している。
今年7月、上海でサッカーの交流イベントを開催。日本人の子どもたちと全力で触れ合う中国人選手たちを見て「スポーツを通じて日中の友好をつくっていけたら」との思いを強くした。
中国では2025年、日本の国民体育大会(国体)に当たる「全国運動会」が開かれる。上海代表チームの指揮を依頼されており、そちらでも結果を出したいと前を見据える。
日本料理店が少ない上海郊外に住む。出前サービスで食生活を充実させたいが「配達員の中国語が分からなくて、まだ使えないの」と、はにかんだ。福島市出身。55歳。
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中国の女子プロチームを率いる 「なでしこ」前監督の 高たか倉くら 麻あさ子こさん サッカーで日中友好築きたい
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琉球新報朝刊
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