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判決「法の適合性回避」 徳田教授 辺野古敗訴受け指摘


判決「法の適合性回避」 徳田教授 辺野古敗訴受け指摘 学習会で講演する琉球大の徳田博人教授=11日、那覇市古島の教育福祉会館
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学習会で講演する琉球大の徳田博人教授=11日、那覇市古島の教育福祉会館
 沖縄平和市民連絡会は11日、名護市辺野古の新基地建設を巡る最高裁判決を受け、学習会を那覇市の教育福祉会館で開いた。行政法学者で琉球大の徳田博人教授が講演し、約70人が参加した。
 辺野古新基地建設で、国土交通相の「是正の指示」の違法性が争われた訴訟で、県敗訴が4日に確定したことを受けて開催した。
 徳田教授は今回の判決について「県の設計変更不承認処分による公有水面埋立法の適合性と実体的判断を回避した」と指摘。軟弱地盤が最も深い地点に達する「B27地点」の安全性の判断を回避しているとした。
 司法が法的問題を解決せず、存在理由すらも自己否定しているとも指摘。一連の判決は憲法に規定する司法権の独立にも関わるとし、政府の言い分だけを一方的に採用した国追随型の判決だとした。安全性など県民の命に関わる最高裁の実質的な判断がなく、県や住民が訴訟で争っている状態が続いており、県は変更承認をする段階ではないと解説した。
 徳田教授は地方自治の本旨に触れ「辺野古新基地建設は県民から受け入れられておらず、民意も明らか。犠牲を強いる構造からの克服が必要」だと強調した。 (渡真利優人)