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アイヌの詩伝える姿、映画に 知里幸恵さんモデル


アイヌの詩伝える姿、映画に 知里幸恵さんモデル 映画「カムイのうた」のポスター(ⓒシネボイス)
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映画「カムイのうた」の一場面(ⓒシネボイス)
 北海道登別市で18日、アイヌ民族で語り継がれているカムイユカラ(神謡)を初めて日本語に翻訳した知里幸恵(1903~22年)をモデルにした映画「カムイのうた」の試写会が開かれた。同市は知里の生誕地で、18日が命日に当たる。札幌市出身で脚本も務めた菅原浩志監督が「幸恵さんの思いがたくさんこもった映画になっていると思う」とあいさつした。
 アイヌ民族であることで迫害を受ける主役「テル」がアイヌ語を研究する日本人男性と出会い、文字を持たないアイヌの叙事詩を書き残す姿を描いた作品で、11月23日から道内で先行上映された後、道外でも公開予定。
 観賞した伊達市の公務員堀千佳子さん(42)は「差別について聞いたことはあったが、映像で見ることで深く考えさせられた」と話した。アイヌ文化振興に力を入れる東川町が企画、昨年7月以降、同町や小樽市などで撮影が行われた。
 知里は言語学者の金田一京助の勧めで、神謡の文字化に取り組んだが、著作「アイヌ神謡集」が出版される前年に心臓病のため19歳で亡くなった。
映画「カムイのうた」のポスター(ⓒシネボイス)