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地域限定保育士 来年全国拡大へ 特区以外も、不足緩和


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は特定の地域に限って勤務を認める「地域限定保育士」の制度を全国に広げる方針だ。保育士不足の緩和が狙い。現在は国家戦略特区の一環として沖縄県、神奈川県、大阪府の一部自治体で実施されている。2024年にも児童福祉法を改正し、特区以外でも認める内容を盛り込みたい考え。政府関係者が19日、明らかにした。
 地域限定保育士は、自治体が独自に実施する試験などに合格した場合、その地域でのみ、国家資格である保育士と同様に働くことができる。4年目以降は全国で勤務が可能。業務内容は通常の保育士と変わらない。
 通常の保育士試験は筆記問題に加え、ピアノ伴奏といった音楽など複数分野から選択して行う実技試験が原則必須。これに対し、地域限定保育士は筆記試験合格後に実技講習を受けると資格を得られる。試験のハードルを下げ、保育士を確保しやすくする目的がある。保育需要の高まりを受け、地域限定保育士は国家戦略特区法に基づき15年度に創設。これまでの導入事例を踏まえ、政府は質などの面で「弊害は特段確認されていない」と分析する。保育士不足は都市部や人口減少地域などで課題となり、全国展開が必要と判断した。