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<ひと>ビーチサッカーの強豪チームで 一人三役をこなす 山本祐揮さん ブラジルは“第二の故郷”


<ひと>ビーチサッカーの強豪チームで 一人三役をこなす 山本祐揮さん ブラジルは“第二の故郷” ビーチサッカーの強豪チームで一人三役をこなす山本祐揮さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ピッチに立てば本場ブラジル仕込みのテクニックでゴールを狙い、練習やミーティングでは流ちょうなポルトガル語で外国人選手の通訳を務める。日本のビーチサッカーでは極めて少ない「助っ人外国人」を呼び寄せるスカウトの役割まで担い、福岡に本拠を置く「ラソアペーゴ北九州」の全国大会出場に貢献した。
 名古屋市出身。高校までサッカーに熱中し、大学時代はフットサルで全国大会も経験した。ブラジルでプロになる夢を抱き、小学校教諭として働きながら受けた現地チームのテストに合格。24歳で海を渡った。
 活躍できず「きつかったけど振り返る時間がなかった」。もがきながら3年ほど所属先を転々とし、ビーチサッカーに転向した。「周りがブラジル代表ばかりでレベルが高く、楽しくてしょうがなかった」とはまった。リオデジャネイロのチームで一緒にプレーした元日本代表選手の紹介でラソアペーゴに加入した。
 昨年はイタリアの国際大会で得点するなど活躍。全日本選手権の出場を逃して強化を図るチームのオーナーに頼まれ、ブラジル人選手の獲得を引き受けた。今年は新加入選手の健闘もあって狙い通り九州大会を制し、全国への切符をつかんだ。
 毎年数カ月は“第二の故郷”に戻り、リオのカーニバルや秘境の旅を現地で案内したり、ブラジル人向け日本語教室の先生をしたりと忙しい。それでも「ブラジルは時間がゆったり流れる。優しい人たちに癒やされる」と、余裕を感じながら毎日を楽しむ。35歳。