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日本軍資料が墜落を記録 石垣栄一さん(3) 島の戦争 <読者と刻む沖縄戦>


日本軍資料が墜落を記録 石垣栄一さん(3) 島の戦争 <読者と刻む沖縄戦> 特攻作戦の「戦果」と犠牲を記録する日本軍資料
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

石垣栄一さん(76)=沖縄市=は1945年4月18日、石垣島の陸軍白保飛行場で亡くなった祖父の石垣加銘さん、大叔父の新良松さんの最期を調べる中で、墜落した特攻機の巻き添えになったと推測します。
「悲惨な現場だったと聞きました。残された家族は大変悲しんだようです。そのこともあって親や周囲の人たちは話したくなかったのだと思います」
石垣さんは事実関係を確認するため、日本軍の資料にも当たりました。白保飛行場から特攻出撃をした陸軍第8航空師団に関する資料「第八航空師団 特攻隊戦果調査表」が防衛省に保管されています。
「4月18日」の項に、白保飛行場を離陸した陸軍機が上空でグラマン機と交戦し、1機が飛行場で爆発し、乗組員が戦死したことが記録されています。住民巻き添えの記述はありませんが、石垣さんは「この墜落機に祖父たちは巻き込まれて亡くなった」と考えています。
戦死した操縦士の名が平和の礎に刻まれています。特攻作戦の犠牲者です。「消息が分かれば遺族にお会いし、どのような最期だったのか聞きたい。そして一緒に恒久平和を祈りたい」と考えています。
石垣さんは白保飛行場をテーマにした歌の歌詞を作りました。3番はこんな歌詞です。
「三味線の響く島は/戦い終えて 果報の島に/二度と起こすな 過ちを/世界へと届けよう/島の心 命どぅ宝/不戦の誓い 平和の尊さ/ああ忘れがたき/陸軍白保飛行場」
特攻作戦の「戦果」と犠牲を記録する日本軍資料