有料

「推し」「盛る」定着5割 国語世論調査 使用8割が受け入れ


「推し」「盛る」定着5割 国語世論調査 使用8割が受け入れ 新しい表現の浸透度
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 文化庁は29日、2022年度の国語に関する世論調査の結果を公表した。日常会話などで使われる新しい表現がどの程度浸透しているかの設問で、「気に入って応援する人や物」という意味で「推し」を使うことがある人は49・8%、「より良く見せようとする」を意図して「盛る」を使うのは53・3%に上った。慣用句の調査では「涼しい顔をする」を本来と違う意味で理解している人が6割ほどいた。
 「推し」と「盛る」は、他人が使うことが気にならないと考える人も8割を超えた。文化庁の担当者は「造語ではなく既存の言葉に新たな意味が加わっているので使わない人にも受け入れられた」と分析している。
 文化庁は最近になって辞書に意味が加わった言葉を調査。「推し」を使う人を年代別で見ると、20代以下は8割を超え、60代でも4割いた。他に「異様と感じてあきれる」という意味で「引く」を使う人は70・0%、「冗談がつまらない」を表す言葉に「寒い」を使うのは50・2%だった。
 慣用句や言葉の意味の調査では「涼しい顔をする」は61・0%が「大変な状況でも平気そうにする」と捉え、本来の「関係があるのに知らんぷりする」の22・9%を大きく上回った。「忸怩(じくじ)たる思い」は52・6%が「残念でもどかしい思い」と回答し、本来の「恥じ入るような思い」を選んだのは33・5%だった。
 自分の言葉遣いに関して「気を使っている」と答えた割合は80・4%。どういった点に注意するのか複数回答で尋ねると「改まった場でふさわしい言葉遣いをする」82・9%、「差別や嫌がらせと受け取られかねない発言をしない」62・7%、「インターネットで感情的な発言をしない」37・1%などだった。調査は今年1~3月に16歳以上を抽出して実施し、3579人から回答を得た。