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性教育歯止め規定「撤廃」88% 「日本社会は子に安全」44% 全国郵送世論調査


性教育歯止め規定「撤廃」88% 「日本社会は子に安全」44% 全国郵送世論調査 妊娠経過を扱わない性教育の歯止め規定
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 本社加盟の日本世論調査会が30日まとめた「子どもの安全」を巡る全国郵送世論調査によると、中学の学習指導要領で「妊娠の経過は取り扱わない」とする「歯止め規定」をなくすべきだとの回答が88%に上った。規定は性教育で性交を教えない根拠にもなっている。なくすべきだとする理由は「正しい知識を得られるから」が44%と最多で、正確な知識が身を守るとの認識の浸透がうかがえる結果となった。
 日本社会が子どもに「安全だ」は「どちらかといえば」を含め計44%。対して「安全ではない」は計55%と二分した。
 子どもを性被害から守るために重要な取り組みは「法整備による厳罰化」が33%、「子どもへの性教育」が28%の順となった。人権やジェンダー平等も学ぶ「包括的性教育」も64%が「導入した方がよい」と答えた。
 性教育を始める適切な時期は小学校高学年が52%と最多で、同低学年までと答えた人は計18%。ジャニーズ事務所元社長による性加害問題を巡り、報道前から男性も深刻な性被害に遭うと認識していた人は67%だった。
 子どもの安全を巡って、有効な取り組みは(二つまで回答)「防犯カメラの設置・増設」52%、「子どもへの防犯教育」43%と続いた。
 子どもを地域で見守る「防犯ボランティア」については、「どちらかといえば」を含めて「参加したい」が計53%。参加者が減少傾向にある理由(二つまで回答)は「忙しくて時間がないから」が59%で最多だった。
 インターネットを通じて子どもが当事者になるトラブルが増えている原因を二つまで聞くと「ネットを適切に使うための知識が子どもに身に付いていないから」が52%で最多。交流サイト(SNS)利用開始の適切な時期を問うと高校生47%、中学生31%の順だった。
 トラブルに遭わないために家庭、学校、事業者がそれぞれ重視すべきことを問うと、家庭ではネットを通じた被害などを保護者が学んで子どもに教えることが24%、学校ではネットを通じた被害などを教える授業を増やすことが54%、事業者では、有害情報から守るフィルタリング設定の徹底が36%で最多だった。
 調査は8~9月、18歳以上の男女3千人を対象に実施した。