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高齢者の持久力低下 スポーツ庁調査 外出自粛一因か


高齢者の持久力低下 スポーツ庁調査 外出自粛一因か 6分間歩行の記録
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 スポーツ庁は8日、2022年度体力・運動能力調査の結果を公表した。65歳以上の高齢者の持久力を測る「6分間歩行(6分間で歩いた距離)」の記録が新型コロナウイルス拡大前の19年度前後と比べて低下する傾向が出た。調査に協力した順天堂大の鈴木宏哉先任准教授(発育発達学)は「持久力は運動習慣の影響が出やすい」として外出自粛やウオーキングを控えたことなどが一因と分析した。
 調査は6~79歳の男女約5万6千人に実施。握力や上体起こしなどを点数化し、6~19歳は8~9項目(80点満点)、20~79歳は6~7項目(60点満点)を集計した。9日のスポーツの日に合わせて公表した。
 6分間歩行の成績は60代後半男性が623・64メートルで19年度より11・45メートル短く、70代後半女性は541・41メートルで9・14メートル短かった。
 コロナ禍で低迷した合計点は高齢女性を中心に上昇が目立ち、60代後半の女性は19年度より0・90点高い43・15点。持久力を測る項目以外が改善傾向だった。
 若年層を見ると、19歳男性の合計点は50・17点で19年度に比べ3・29点低下した。スポーツ庁は、高校時代に野球やサッカーといったチーム競技が制限された影響が残ったとみている。
 運動習慣と生活の充実度についても質問。40代は男女とも「週3日以上、1時間以上」運動をしている人は4割以上が「生活が充実している」と感じていた。